『あるもの』に気付く
2022年スタートであり、令和3年度3学期の始業式にあたり、校長先生が中村久子さんの『秋の朝』という詩を紹介されました。中村久子さんは明治時代、3歳の時凍傷で両手両足を失ったが、晩年たくさんの素晴らしい詩を残しました。
『秋の朝』 中村久子
さわやかな秋の朝
「タオル取ってちょうだい」
「おーい」と応える夫がいる
「はーい」というむすめがいる
歯を磨く
義歯(入れ歯)の取り外し顔を洗う
短いけれど指のない丸い強い手が何でもしてくれる
断端(だんたん)に骨のないやわらかい腕もある
何でもしてくれる短い手もある
ある ある ある みんなある
さわやかな秋の朝
人は身近にある大切なものに気づかない。『あるもの』に対しては鈍く『ないもの』に対しては敏感。
「~してもらえない」等『ないもの』に目が行きがち。
2学期、家族や友達、そして先生にしてもらったうれしかったことを振り返ってみてください。それに対して自分が人に与えたことも思い返してほしい。もし、人に与えたものが浮かばなかった人は、人との関わりを考え直してほしい。「きっとある」が見つかります。そして、「自分のできること」を一つ一つ着実に実行してください。
2022年は『あるもの』に気付き、それが『あること』に感謝することから始まり、「自分がされてうれしいこと」を実践していく年にして行こうというメッセージでした。
生徒指導担当のA先生からは本校が取り組んでいる『自問』についての確認でした。『自問』とは、自分の気持ちを整理するためのもの。「静かに移動」と言われるのも、静かに歩く中で「よし、しっかり話を聴こう」という心の準備のため。「自問清掃」も1日を振り返り、今日あったもの、与えられていたものに感謝しながら行うのが目的。次のステージに向けて成長しなければいけない時。「次に自分はどうしていきたいか」を考えながら、自問しながら行動を。
2022年最初の校歌 校長先生のお話 2022スタートの生徒の様子
「自問」について 「聴く」生徒たち 進んで後片付けをする生徒会役員